天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

サビタ

横浜市俣野別邸庭園にて

 のりうつぎ。2010年6月14日の補足である。日本全土の山野に生える。七、八月に枝先に円錐形の花序を出し、白色のアジサイに似た花をつける。原田康子の小説『サビタの記憶』で有名になった。


     花さびた草にかくれて水ゆくも   辻 桃子


  さびた咲く一谿うすきあかりさへおぎろなくしも早
  昃(かげ)るめり            遠山光


  さき残るサビタは甘しわがうちに長く遺らむ愛などなきや
                     生方たつゑ
  いづこにもサビタの花のさく道よ夏も悲哀をもつ白さなり
                     生方たつゑ