天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

海胆(2)

NHK「キッチンが走る」の映像から

 俳句では春の季語になっている。なお雲丹と書くのは、卵巣を塩辛にしたものを差す時というが、そんな区別をしている人は稀のようだ。


     海底は魂の遊び場雲丹の花     丸山海道
     子負ひ漁婦小石に座り雲丹洗ふ   岡田日郎
     海胆採りにかたむき迫る利尻富士  澤田緑生
     海胆割くや潮歳いつも身のほとり  吉村圭子


  三陸の蒸し雲丹あまし罐詰に水産高校製造とあり
                     下村道
  うに割ればあからさまなる海の香(か)に口すぼめつつ
  赤うにを食(を)す           樋口 覚


  神々に憂愁ありしか太古にてむらさきの海胆磯に満ちけむ
                     葛原妙子