天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

コスモス(続2)

横浜市俣野別邸庭園にて

 神奈川県のコスモスの名所といえば、第一に横須賀くりはま花の国であろう。春はポピー、秋はコスモスが百万本も咲くコスモス・ポピー園の広さは、2.3ヘクタールもある。


  コスモスの花によせたる愛憐が君と我との距離を近くす
                       藤岡武雄
  ひだまりの日の匂ひしてコスモスの吾がてのひらに微かに温し
                       池田二美代
  コスモスの揺れ咲く丘に尋ね当てし墓標は君の建立とあり
                       遠役らく子
  火葬場の灰が育くむコスモスのどの花も顔のことなれる花
                       綾部光芳
  倒れ伏しそれでも咲きゐるコスモスにしづかな寒さが
  降(お)りてゐるなり            河野裕子


  遊歩道コスモス枯れて菜種蒔く明日の私が見える楽しみ
                       小島資行
  くり返し打ち来る風に抗はぬこのこすもすを蔑して通る
                       青井 史
  朝顔竜胆コスモス木通をみならはこれらの花の貌なべてもつ
                       青井 史
  雪払う風のコスモス街道に母の手をひく母はわが母
                       小高 賢