天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

里山の黄葉(1)

藤沢新林公園にて

 藤沢の新林公園には、檪(くぬぎ)の多いことが、今回の散策であらためて分った。紅葉は少なく黄葉が目立つ。漢字では櫟、椚、橡、栩などと表記する。花は雌雄別の風媒花で4,5月頃に咲く。実は他のブナ科の樹木の実とともにドングリとよばれる。檪は持続的に利用できる里山の樹木のひとつで、材質は硬く、建築材や器具材、車両、船舶に使われるほか、薪や椎茸栽培の榾木(ほだぎ)になる。従って里山であった新林公園には、くぬぎが多い。


     栗鼠走るくぬぎもみぢの木立かな
     鼻歌の妻にしたがふもみぢ狩
     紅葉のひと葉かなしむ朝日影
     尾根道に雪の富士見るもみぢ狩


  美しき姿のこさむ黄葉のくぬぎ撮りつつ里山めぐる
  常緑の木の間に見ゆる黄葉のくぬぎ林をさまざまに撮る
  斜めから横から下から真上からくぬぎ黄葉(もみぢ)を
  こだはりて撮る