天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

里山の黄葉(2)

横浜市舞岡公園にて

 里山となれば、横浜市の舞岡公園のもみじも気に懸る。もう遅いだろうな、と思いつつ出向いた。案の定、紅葉はほとんど無く、黄葉のかたまりが山のところどころに残っている。できるだけ近くに行ってみることにした。師走のせいか、溜池の周辺にはバードウォッチャの数は少ない。
 山林には鳥の姿は少なく、山は眠りについたようで、静かである。


     寒鯉の尾鰭ゆふらり池の底
     見つむればふくら雀が首かしぐ
     小春日やタイワンリスの跳梁す
     溜池にカワセミを待つ寒さかな


  溜池の縁にもみぢの枯れのこり笹子鳴くなる里山の朝
  散りそめしクヌギ、コナラの黄葉を愛しみめぐる里山の道
  おほかたのもみぢ散り果てしづまりぬ眠りにつきし里山の木々
  月一度かかれる医者は年末に「来年もまたよろしく」と云ふ