天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ヒトデ(1)

新江ノ島水族館にて

 漢字では、海星、人手などと表記。棘皮動物ヒトデ綱の総称。海の岩礁や泥底にすむ。通常、五本の腕をもち、星形あるいは五角形に放射状に突きだしている。腹面の中央に口があり、各腕の管足により運動する。雌雄異体。卵生で幼生を経て成熟。再生力が強い。


  海底の海鼠(なまこ)のそばに海胆(ひとで)居りそこに日の
  照る昼ふかみかも            北原白秋


  砂の上に濡れしひとでが乾きゆく仏陀もいまだ生れざりし世よ
                     岡部桂一郎
  かぎりなく動く触手の軟らかきひとで見しよりのがれられず立つ
                      浜梨花
  ヒトデの屍しらけて乾くかたわらに灼かれおり君にへだたる幾日
                     馬場あき子
  鬼ひとで赤き珊瑚を食むといふ食(を)しもの拉(ひし)ぐ
  をとめのひかり            馬場あき子