天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

綿の花

横浜市俣野別邸庭園にて

 アジア原産のアオイ科一年草奈良時代に渡来したという。綿毛と種実を採るために栽培される。仲秋に淡黄色の五弁花をひらく。昔は、重陽節句前日に菊に綿をかぶせて霜よけとし、菊の露と香のうつった綿で身をぬぐい長寿を祈った。
 漢字では棉とも表記する。果実は熟すると三裂して白色の綿毛をつけた種子を吐く。これを「綿(棉)吹く」という。


     泉州や海の青さと棉の花      青木月斗
     無戸室の跡を標して棉の花     吉田亜司


  敷島ややまとにはあらぬ唐人の植ゑてし綿の種は絶えにき
                      藤原家良


[注]綿については、2011年11月11日と2015年11月9日において記述している。
   今回は続編である。