天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

秋の植物園

ドラゴンフルーツ(大船フラワーセ

 今年は台風が連続したりして天候不順が長引いたせいで、秋の草花を見に出かける機会を逸してしまっている。それで曇り空ながら大船フラワーセンターに出かけた。この時期、温室にはみるべきほどの花は無かった。温室を出てから園内をぐるりと見て回ったのだが、珍しかったのは、大文字草、ドラゴンフルーツ、喜樹 などであった。
 大文字草は主に山地の日陰がちの湿った岩場や渓谷の岩上に生えるユキノシタ科の多年草である。名前の由来は、野生品の花の形が「大」の字に似ることからきている。
 ドラゴンフルーツは、一般的にサボテン科ヒモサボテン属のサンカクサボテン等の果実を指す。メキシコや中南米熱帯雨林が原産地である。味は種類にもよるが、甘味と酸味の混ざり具合で決まるという。まだ食べたことがない。
喜樹の原産地は中国雲南省という。落葉高木で夏にうすいクリーム色の花が咲く。ミズキ科でカンレンボク(旱蓮木)とも言う。
園内で目立ったのは、鶏頭と葉鶏頭の花壇であった。人たかりするほでであった。ダリアも色々の大輪が咲いていて見栄えがした。十一月の文化の日には菊花展があるので、その準備に忙しそうであった。


     大輪の黄なるダリアに満たされぬ
     この年の審査を待てり菊作り
     遠くから人目を惹くは葉鶏頭
     鶏頭の花壇が人気植物園
     観賞にたへて糸瓜の垂れさがる
     食べるとは思ひよらざり蕎麦の花
     威を張りてドラゴンフルーツ赤黒き
     鉢植に秋のにぎはひ大文字草


  実か花か枝ににぎはひ人目ひく見上げて高きカンレンボクは
  見上ぐるは樹高二十三メートル中国産の喜樹と知りたり
  針金に巻きつき赤くふとりたり近寄りがたきドラゴンフルーツ
  一個百九十八円棚に積むベトナム産のドラゴンフルーツ


[追記]最後の歌は、後日スーパーの果物売り場に寄った時、たまたま見かけたものです。