天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

藤沢えびね・やまゆり園

海老根(藤沢えびね・やまゆり園にて)

 五月連休に先立つテレビのニュースでたまたま見かけて出かけてみることにした。今まで全く知らなかった場所である。湘南台慶応義塾大学に近いところに個人所有のかなり大きな竹林があり、そこに春から秋の草花が咲くのである。この時期は、海老根(えびね)が見ごろである。錨草や一人静、タツナミソウなどがまだ咲き残っていた。


     竹の子のたくましく見ゆ皮衣
     屈み込みスマホに写す海老根かな
     竹林の順路に沿ひて海老根かな
     木漏れ日の風にふるへる錨草
     籔蔭の都忘れも見逃さず


  見に行かむゑびね、キンラン、錨草 個人所有の竹林に生ふ
  竹林のゑびねの脇に咲きにける都忘れの忘れがたしも
  丈低く咲ける海老根にかがみ込みスマホを向けて写真撮るなり
  人知れず野山に咲きて生を継ぐミヤコワスレタツナミソウも
  町なかにはつか残れる竹林にいのちをつなぐ美(は)しき草花