天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

月影地蔵

月影地蔵尊

泉秀樹の江ノ電沿線史跡めぐりをTV番組を見ていたら、極楽寺近くに住んでいた阿仏尼のことが紹介された。過去のブログ2011年11月22日 月影ケ谷(つきかげがやつ)ですでに詳細を書いているので、重複を避けるが、今回はじめて月影地蔵(鎌倉24地蔵のうちの一つ)のことを知った。それでさっそく極楽寺の奥にそれを見に行ってきた。この地蔵は阿仏尼が持っていたものというが、実物は人間の背丈以上もある立像で、とても阿仏尼が抱きかかえられるようなものでない。ただ、もとの地蔵尊は火事で焼けて消失し、現在の地蔵尊は後世に作られたものという話もある。
地蔵堂の参道には風化した石仏たちが並んでいる。何の説明板もないので史跡としては重要視されていないようだ。


     烏きて樋(とひ)の水のむ梅雨晴間
     江ノ電の混雑きたる夏休み
     腰越の軒先に干す鯵金目
     鬼百合の群れて競ふや極楽寺
     いしぶみは阿仏尼邸址炎天下


  阿仏尼の住まひし跡は極楽寺月影ケ谷いしぶみの立つ
  江ノ電の窓より見たる碑は月影ケ谷の阿仏尼邸址
  阿仏尼の持仏なりしと伝へたり人の背丈の月影地蔵
  道狭く家立ち並ぶ路地奥に知る人ぞ知る月影地蔵