天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花火のうた(3/4)

大曲花火全国大会のNHKテレビ映像か

2015年8月4日のブログで、熱海の花火を見たことを紹介したが、熱海海上花火大会は、昭和27年(1952年)にはじまった。夏だけではなく年間を通して10回以上も開催されている名物である。


  爆ぜる音聞こえざるまま時置きて夜空彩る遠花火見ゆ
                     神作光一
  光を呼び影をたたへて闇となる海の花火は寄る波のうへ
                    大河原惇行
  くら闇に咲かす手花火指さきにしばし呟くごとくに爆(は)ぜつ
                    石田比呂志
  老いし母が此の世の庭に焚く花火夏の名残のくれなゐの華
                    山本かね子
  闇空に最後の花火消えゆきて寝入りたるらし背の子の重み
                     熊谷淑江
  じゅっと燃える線香花火の火の玉の落ちる速度で眠りましたよ
                     東 直子


山本かね子の歌には鬼気迫るものがある。