天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

深海魚

深海魚(NHK-BSのテレビ映像から)

 大陸棚より沖合の水深二百メートル以上の深海に棲む魚。高水圧・暗黒の環境に適応する。
恐竜の時代以降に起こった隕石落下による地表面の影響を受けにくいこともあって、古代の形態を残した魚もいる。シーラカンスが典型。


  客乏しき地下レストラン気泡立つ大き水槽に深海魚飼ふ
                     磯 幾造
  深海魚生きつぐ地球のあるかぎりまだいくたびも世紀末ある
                     安森敏隆
  深海魚のやうにゆらりとバス発てり雪深き街の青きゆふぐれ
                     立野朱美
  誰よりも淋しいひとりの眼をもちてシーラカンスがまだ生きている
                     鈴木諄三