気障なりし面影もなく杖による友の繰り言なだめつつきく
丸山郁子
*気障(きざ): 「きざわ(気障)り」の略。服装や言動などが気どっていて嫌な感じをもたせること。
年積みて穏しくなりと思ふ友長く話せば以前と同じ
東野典子
*穏(おだ)し: おだやかだ、平穏である。
山仕事を終えて降りくる友を待ち七年ぶりに橋に語らう
下南拓夫
今日のため友が置きたる鹿の肉赤くやはらかくわが舌のうへ
楠瀬兵五郎
とりあへずやりてみよとの口癖に励まされにき友生き給へ
安田恭子
妻の死をいくどもいくども語るしかないのであろうこの冬を友は
吉川宏志
*なんともやるせない!