版元蔦屋重三郎にその才能を見いだされ,蔦屋の専属絵師の形で狂歌絵本や美人錦絵などを世に送り出し、次第に頭角をあらわしてくる。歌麿の美人画では、その大半が吉原や遊女に取材した作品であることもその作画人生を特徴づける。
裏白の葉の叢に胴うねる蜥蜴狙ひて舌だす蛇は
湯上りの胸元みせてふり返る浮気之相の朱き唇
湯上りの肌もてあます大年増湯やのすだれを秋風が吹く
黄表紙を読みて息づく木挽町新やしきなる小伊勢屋おちゑ
ボストン美術館に収まる大首絵豊ひな、きた、ひさ 吾にせまり来
水茶屋の娘おきたのささげ持つお茶を飲みたし秋のホノルル