天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

諷刺(9/10)

  なんだって売っているわというからに百円ショップで青春捜す

                        西岡洋子

  幼児のごとはつたりと転びたり後期高齢者の具体例とし

                      山埜井喜美枝

  三つ指をつけばふとしも「ふつつかですが」「おいとまを」とも言いそうになる

                        佐波洋子

*三つ指をつく場面で言う言葉が限られていたのだ。

 

  水無くば死にするといふ河太郎すなはちこれは人間のこと

                        恩田英明

*河太郎とは、河童の異称。

 

  王権をめぐつて首の二つ三つはなるることはーー善悪のほか

                       池田はるみ

  人間のあたまに桜植ゑられてふとぶとしくも花が咲きたり

                       池田はるみ

*上句が何を意味するのか不可解! 美しい思想を吹き込まれた、とか?

 

  ずらしてはまた立て直す話かな 持ち重りしたジョークを捨てて

                       池田はるみ

 

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