天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スポーツの歌ー登山(2/2)

  ザイルにて結べる友と岸壁と青く澄みたる空だけが見ゆ

                   馬場明徳

  音のなく我をめぐれる雲海の照ると陰るとただ果てしなし

                   川崎勝信

  太陽の耳を噛みたし頂に辿り着きなほ渇きゐたるを

                   本田 稜

  今日登る二つの山があらわれて秋空のなか二つ波うつ

                   吉川宏志

  朝の陽に雪山まぶし前をゆく友のピッケル鋭く光る

                  羽生冨美子

  山靴の軽きを探せ夏山のかの岩稜(いはかど)の風のかがやき

                  前 登志夫

  走り根に掴まり崖をよぢのぼる文字なき時代の女のやうに

                   高橋良子

 

ピッケル