天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スポーツの歌ー登山(1/2)

  白山の頂上に立つ午前四時出でて来る日はどの山のあたりか

                      松村英一

  剣岳この岩の上にわれ立てり清きかなうれしきかな渡る天つ日

                      松村英一

  三百六十度視野となし得る赤岳の頂上に立つ空のあかるし

                      大越一男

  超えて来る誰も誰も皆憩ふらむ岩とて倚れば人間くさし

                      植松壽樹

  絶嶺に立つやたちまちに霧おおう荷を負うわれと夏帽のきみと

                      米田憲三

  時おきてザイルは強く我が掌引く君の呼吸を伝ふるがごと

                      雁部貞夫

  晴れし日の日かげに干しし山靴にあまきかをりのあぶら塗るあはれ

                      小池 光

 

白山