天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

短歌評論

 『短歌研究』十月号に発表されている今年の評論賞および候補の作品と選評を拾い読みした。選評の指摘は、なんだか高校生の論文に対するようであり、作品自体が幼く見えてくる。誤字や品詞の間違い、独断、事実の間違い など。また、他人の評論を正として引用し前提にする、といったことも。科学論文と違い、文芸評論は、第三者が真実を追試験で求めることは無理。全てが仮説であり、どれだけ説得力あるか、納得させ感心させるか、という点で評価される。極端な場合には、目新しい説を打ち出しているわけではないが、文章が大変味わい深い、とか面白いとかで評価がきまることもありうる。


        入念に鳩水浴ぶる西日かな
        そこここに落葉が動く群雀
        をさな児が指差しだすや赤とんぼ
        秋日さす若き特攻勇士の像