天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

遺書

 昨日は風邪がぶり返したか熱のでる心配があったので、朝急遽会社を休むことにした。一日寝ていたので、何も書くことはなかった。今日は出勤、車中で塚本邦雄関係の本を読んだが、何かを書くほどのことは見つからない。新年の「短歌人」一月号に掲載された歌八首を紹介しておこう。

            遺書

  浮かびきて水面の落葉吸ひ込めるおほき緋鯉のまなこ濡れたり
  掲示には御製とならび遺書ありて一撃必中あるのみといふ
  ただ國のために死ねるを最大の光栄といふ 家族への遺書
  一度家に帰る考へふりすてて海軍少尉神風に乗る
  御霊屋にとどけとばかりはりあぐる声ひびわれて「白虎隊」はや
  秋晴れの礼拝殿の入り口に二流垂れたる錦の御旗
  丹精の盆栽ならびひさかたの光まとへる黄菊白菊
  相撲場は立入禁止四つに組む国技の像にもみぢ映れり