天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

伊太利亜(2)

意図が分かりやすく読みやすい構成例もある。「1 旅の前の落ち着かぬ時」から。


D   副腎腫瘍(Pheochromocytoma)
      をも発症せず
     色情狂(Nymphomania)
      にもならず

        老いゆく


E    一国が潰されるのを
    一国がよみがへるとも
        いふぞ
       たのしき


F    手を深くポッケに容れて
    もろびとに対するときに
    もろびと礼す


D,E,Fの作りに共通するのは,対句意識である。また,呼吸法というかリズムである。

現在,兵庫県三田の森に囲まれた場所で,この文章を打ち込んでいる。九州,四国の南部では大雨警報。下げ続けた東証の株価が反転の気配を見せているのは喜ばしい。


ほととぎすつゆけき森をかなしむか窓辺にひらく歌集『伊太利亜