天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

「短歌研究」新人賞

 今年の「短歌研究」新人賞が発表された。角川短歌賞にしても最近は特に女子高校生くらいの年代の受賞者が目立つ。今年の候補作品で特に気づいた点は、口語短歌がすっかり身についたというか難なく自然に作られていること。また、若いせいか自己中心になっていて、日常生活における自分の感情を詠うことに情熱をそそいでいること。論理的には理解できないほど飛躍があり、感覚的であること。
ちなみに、最近の短歌ではすぐれた叙景歌が全く影をひそめたことが気になっている。選者も作者も人へ関心が集中している。或いは選者の中に、叙景歌で有名な歌人がいないともいえる。
 短歌に限らないが、約束事の少ない詩は経験年数には関係ない文芸である。文芸という言い方もそぐわない。芸や技法を感性でカバーできるほど感性が重要。
 短歌で何をどう詠おうとかってだが、良い作品とはなんといっても読者を惹きつける魅力があること。もっと簡単にいえば、立ち止まらせる力を持っていること。

 わが日頃の作歌態度に鑑み、反省しきりである。