天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

どう評価するか

 「藍生」十二月号の黒田杏子主宰の作品について。評価にとまどう俳句がある。

    A 都鳥きたれり句帳あらためむ
    B お坊様フレンドネットワーク月今宵
    C 菊膾金いろ納札銀いろ
    D 都鳥ま白原真理子堂々


A: 句帳をあらためるとはどういうことか? 吟行に出かけるに
   あたって、余白の有無を確認する? あるいは過去に作った
   都鳥の句を句帳で確認する?
B: 月のきれいな夜にケイタイかパソコンかインターネットでも
   見ているらしいが、どうも焦点がぼける。
C: 金色の菊膾と銀色の納札との対比だが、菊膾がまずそうで、
   生きていない。
D: 固有名詞らしき原真理子が面白く思えない。また都鳥がま白
   とは、言わずもがなではないか?それを敢えて言ったのは、
   原真理子さんの肌色を連想させようという意図か?その場合、
   色黒と思ってしまう。


次の二句は良い。軽い切れがいずれも二句目の終りにある。
      月の座のひとりひとりにおけさ柿
      神在のまぶしきものにしじみ