天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蒲公英

たんぽぽ

 キク科の多年草エゾタンポポカントウタンポポカンサイタンポポセイヨウタンポポ など二十種ほどもあるらしい。鼓草(つづみぐさ)というゆかしい呼び名もあるが、タンポポという名前の由来は、「たんぽ穂」つまり、花が枯れて絮の状態が、綿を丸めて革や布で包んだタンポに似た穂というところから来たという説がある。


      蒲公英や激浪寄せて防波堤    水原秋桜子
      たんぽぽや日はいつまでも大空に 中村汀女
      顔じゅうを蒲公英にして笑うなり 橋 輭石
      たんぽぽの絮言霊に似てあそぶ  神尾久美子


  鉢の子に菫たんぽぽこき交ぜて三世の仏にたてまつりてむ
                    良寛
  廃れたる園に踏み入りたんぽぽの白きを踏めば春たけにける
                    北原白秋