新発見の運慶作
神奈川県立金沢文庫で特別公開中の運慶作・大威徳明王坐像を見に行った。この像は、称名寺光明院所蔵であるが、江戸時代には弘法大師作とされていた。X線で透視し解体修理した際、胎内から出てきた文書から、驚くべき事実が分かった。建保4年(1216)11月に、源頼家・実朝の養育係で吾妻鏡にもよくでてくる甲斐源氏加賀美氏出の「大弐殿」が、「法印運慶」に作らせたものであった。最近、新発見として新聞で報道された。展示されている実物は、両手で包めるほどの大きさであった。正確には、総高が21.1cmとのこと。
運慶は、仏像といえば運慶、といわれるくらい有名な仏師だが、現存する彼の確かな作品は、数少ない。よって今回の発見は、貴重である。写真は、次の金沢文庫のHPから借用した。
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tokuhou.htm
手のひらにのるほど小さき大威徳明王座像運慶の作
権力の手を幾世代経しならむ腕失せたれど眼光の鋭き
一身に衆目集め揺るがざり腕断面の粗き木像
おほいなるケヤキ古木を従へて阿形吽形山門に立つ