マメ科の落葉高木。日本をはじめ東南アジアに広く分布している。「ねむ」の名は、葉が夕方になると睡眠運動によって閉じることからついた。花は反対に夕方ひらき夜に咲く。多数の淡紅色の長い雄蕊が目立つ。
象潟や雨に西施がねぶの花 芭蕉
合歓の花底なき淵の底あかり 中川宋淵
相連れて旅かしつらむほととぎす合歓の散るまで声のせざるは
良寛
たもとほる夕川のへの合歓の花その葉は今はねむれるらしも
古泉千樫
合歓の花しだるる下に言葉絶えひぐらしは暗く声あはせたり
前登志夫
夕さればねむねむねむねむ合歓の花目覚めて露を
ふふみけるかも
引明けに眠りにつける合歓の花夜の遊びに疲れ顔なる