天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

飯盛山(2)

剣舞

「嗚呼忠烈白虎隊」松平保定書の碑を前にして、観光客相手に島田磐也作詩古賀政男作曲「白虎隊」の歌にのって隊士の自刃を演じた女性剣士に、涙を誘われた。
白虎隊士の忠誠心に感じた人々は、外国人にもいた。ローマ市民代表のムッソリーニやドイツ大使館付武官フォン・エッソ・ドルフ大佐から石碑を贈った。さらには、外国人父子の夫妻が白虎隊自刃の地に自分たちの墓をつくって葬られている。リヒヤルドハイゼ之墓、妻ヨシの墓とリヒヤルドの長男エーリッヒハイゼ之墓、妻ニーナ之墓である。
 ただ十分注意すべきは、戦時において、こうした忠誠心や武士道は、極めて都合よく利用されるということ。封建時代は領主のため、近代になってからは天皇のため、武士や兵士は忠誠を強いられた。武士道が美学になって奨励された。


  自刃せし山の斜面ゆ遠望すかすみて揺らぐお城の天主
  白虎隊の歌のひびかふ公園に女剣士は自刃して伏す