天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

歌人たちの鎌倉7

瑞泉寺の放代歌碑

 山崎方代は、鎌倉の手広に昭和四十七年から昭和六十年に没するまで住んだ。


  ここらあたりは相州鎌倉郡字手広草庵の
  札下げて籠りたり


  藤づるの畚(もっこ)に乗って湘南のむらがる
  花の春にあいたり


  めずらしく晴れたる冬の朝なり手広の富士に
  おいとま申す


 次の歌の碑が、瑞泉寺門前にある。平成三年九月、山崎方代を語り継ぐ会が建てた。

  手のひらに豆腐をのせていそいそといつもの角を曲りて帰る

 

放浪歌人として、鎌倉では最も人気があり、雑誌「方代研究」が発行されている。瑞泉寺の住職で歌人の大下一真和尚が編集人である。