天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

『赤光』の生誕

岡井隆の本

 やっと読み終えた。なにせ473頁もある分厚い本である。通勤電車の中で、はたまた休日に出歩く際の電車の中で読み続けた。岡井隆の歌集以外の本を、ここまで熱心に読んだのは、これが初めてである。彼の短歌に関わる評論をいくつも読んだが、悪文のせいか、さっぱり理解できなかった。全く感動しないし、読後の印象にも残らなかった。ところが、今回の本は違っていた。話題が四方八方に飛び移っていくが、文章が読み易いため、全く気にならないでついてゆけた。その上、それぞれの話題が、とても有益な情報・新しい知見を提供してくれた。なによりも、ある歌人なり作品を読み解く場合のバックグランドの調査方法を示唆してくれるところが、大変だなあと思うものの、為になる。