天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

初島にて

 ブリはスズキ目アジ科。日本全土の沿岸に分布する。地方により呼び名が違い、また大きさによっても異なる。東京では、イナダ、ワラサ、ブリ。大阪では、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリ などと呼ぶ。俳句では、冬の季語なので、今とりあげるのは気が引けるが。


      大漁の鰤降りかくす深雪かな   蓼水


  鰤の揚がらぬこの幾年か網元の門徒らも寺を顧ずとふ
                      岡部文夫
  太き鰤熊野灘より送られぬかかへて赤子より重たし鰤は
                      宮 英子
  群なして海の芯流にもまれつつたい体に黄のすぢ鰤は帯ぶとふ
                      高野公彦