天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梅雨晴れ

紫陽花

 梅雨の中休みのこと。梅雨晴間。俳句では五月晴ともいう。



  峡縫ひてわが汽車走る梅雨晴の雲さはなれや
  吉備の山々             若山牧水
                       
  梅雨晴れのふとまばゆさを増す空にモーツアルトの靴音がする
                    永井陽子

     皷鳴る芝山内や五月晴     正岡子規
     梅雨晴の船赤土を満載し    林 徹
 

  梵字一字彫りたる石は三角形薬師如来の立札のあり
  石板に線刻の像かすれたり庭にふりたる馬頭観音
  北極の氷とけつつあると聞き梅雨の晴間にうな重を食ふ