天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

立葵

足柄郷にて

 (名古屋方面に二泊三日で出かけていたため、今日のブログのアップロードが遅くなってしまった。)
 中国原産のアオイ科多年草。直立する茎の高さは二メートルくらいになる。下方から次々に葉腋ごとに大輪の花を開く。花の色には、白、黄、桃色、赤、紫などあり。



      明星に影立ちすくむ葵かな   一茶
      じだらくに住みて屋後に立葵  飯田蛇笏
      首伸べて母校一瞥立葵     川本けいし


  立葵登りつめたる花鋭しこの世の夏にふかめゆく紅
                     久方寿満子
  赤紙の届きし杳き日の記憶われに呼びつつ立葵咲く
                     島本正斎
  ふるさとの山のふもとの畑なかの立葵にはいつも日が差す
                     大西民子
  水無月の二日二夜の雨ののちかーんと真赤き立葵咲く
                     今野寿美