天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

地球博物館にて

 蛾を除く鱗翅目の総称で全世界には約13000種、日本には約240種いるという。種類は違うが、四季を通じて見かける。秋の蝶、冬の蝶などと詠まれる。万葉集では、二首の序文の中にでている。


  百とせの花に宿りて過ごしてきこのよは蝶の夢
  にぞありける            大江匡房
                       
  籬(ませ)に咲く花に睦(むつ)れて飛ぶてふの羨(うらやま)
  しくもはかなかりけり         西行
                       
  生きながら針に貫(ぬ)かれし蝶のごと悶えつつなほ飛ばむ
  とぞする              原阿佐緒
                    
  丘の上を白いちょうちょが何かしら手渡すために越えてゆきたり
                    山崎放代
  うたわずば今日はまぼろし夏が来て銀の揚羽が闇を断ち裂く
                    佐佐木幸綱