天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

団栗

藤沢新林公園にて

 どんぐりは、ブナ科コナラ属落葉高木のクヌギの実のことだが、樫の実なども入れるのが普通。子供から大人までみんなが知っている童謡「どんぐりころころ」は、大正10年に作られた。作詞・青木在義、作曲・梁田 貞である。



      団栗や倶利伽羅峠ころげつつ
                  松根東洋城
      どんぐりの落ちて来さうな露天風呂
                  滝 佳杖


  拾ひきてつやつやまろきどんぐりを幼なの撒けばそこはもう秋
                        佐佐木由幾
  かさかさになりし心の真ん中へどんぐりの実を落としてみたり
                        山崎方代
  握りゐる木の実の一個あたためてどんぐりをわれは何に孵さむ
                        大西民子
  みちのくに宮澤賢治を尋ねればどんぐりの実が旅のピリオド
                        俵 万智子


      団栗を見ればをさなの手を思ふ


  幼児がどんぐり拾ふありし日の姿思へる山道の秋