天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

寒卵、寒玉子

スーパーで購入したもの

 寒中の鶏卵で、特に栄養豊富。生で食べるのが良い。近年までは病気見舞に使ったほどである。


     寒卵かからじとする輪島箸    前田普羅
     大つぶの寒卵おく襤褸の上    飯田蛇笏
     山の湯やすぐ売切れし寒卵    首藤勝二


  おとろへにしみて利くてふ寒玉子鉢につぶして生ながら食ぶ
                     太田水穂
  この朝茶碗に割りし地卵のしまりは寒く思ほゆるかも
                     山本友一
  それぞれの影を落して寒卵二つわが家の食卓のうへ
                     山名康郎