天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鳥居

若宮大路・一之鳥居

 神域と俗界を区画する結界で、神域への入口を示す門。ひとつの参道に複数の鳥居がある場合は、外側から「一の鳥居、二の鳥居…」と呼ぶ。鳥居の起源には諸説ある(インド仏教のトラナ、中国の華表、朝鮮半島の紅箭門、イスラエルの移動型神殿、アカ族の「村の門(ロコーン)」など)が、確かなことは分かっていない。奈良時代から神社建築の門の一種として、八世紀頃に現在の形が確立している。


  道つじの鳥居にしるし杉がくれこの山中にやしろありとは
                 新撰和歌六帖・葉室光俊
  とりゐたつ逢坂山のさかひなるたむけの神よわれないさめそ
                    夫木抄・源 仲正
  冬の日を正面(まとも)に受けてやや寒くまかがやく赤き鳥居
  小さしも                  北原白秋


  鳥居たてる大き岩礁に間を措きて花白波のうちあがる見ゆ
                        鹿児島寿蔵