天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

玉蜀黍

舞岡公園にて

 トウモロコシは、南米アンデス山麓原産でイネ科の一年生植物。人間の食料や家畜の飼料となるほか、コーンスターチや油、バイオエタノールの原料としても重要な穀物である。地方によって、トウキビ、ナンバ、トウミギ、コーンなどの呼び名がある。トウモロコシは長い栽培の歴史の中で世界各地の品種を交配し、用途に合わせて種々の品種が開発されている。近年では遺伝子組換えされた品種も広がりつつある。唐黍(とうきび)、もろこし。


  唐黍(もろこし)の焦げしを嚙めば幼き日幼きかをり胸に湧きくる
                       窪田空穂
  行けど行けど玉蜀黍の穂の光り富士あらはにも夕焼したり
                       前田夕暮
     しんとして幅広き街の
     秋の夜の
     玉蜀黍の焼くるにほひよ       石川啄木


  とうもろこし吾が家を埋めて穂の立てば湧く熱雷の昏れて激しく
                       近藤芳美