天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小田原の桜

小田原西海子小路にて

 小田原の桜の名所では、城内と西海子小路(さいかちこうじ)が見馴れた場所である。でもまだ満開には早過ぎた。驚いたことに小田原文学館奥の白秋童謡館の南門が、今回の東日本大地震で倒れていた。


  冷凍の干物売る店閉したり目途たたざる計画停電
  整地され偲ぶよすがもなかりけり象のうめ子の生きし跡地は
  インド象うめ子の生きし面影は本丸跡の小さきレリーフ
  欄干の朱色映せる水の面に背鰭あらはに鯉のむれ来る
  花いまだ六分咲きなり早まりてわが急ぎ来し西海子小路
  さくら咲く下に子供を立たしめて写真撮るなり入学の朝
  一時期の三好達治が住みしとふ 諸白小路に喫茶店あり