天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鮫(さめ)

ジンベイザメ(「オーシャンズ

 サメ目に属する軟骨魚類をいう。生息場所も大きさや形も様々。フカと言うこともある。ホオジロは人を襲うので人食い鮫と呼ばれる。肉は蒲鉾の原料に、鰭は中華料理に用いられる。「フカヒレ」が高級料理としてもてはやされるため、鮫を捉えたら尾鰭だけ切り取って、後は海に捨てるという無惨な漁が行われることがある。尾鰭のない鮫は、泳ぐことかなわず海底に沈んで死を待つことになる。


  艙口(にとりぐち)にわたす板の上ひきずられ鮫のからだの
  大きかりけり              川田 順


  鱶(ふかざめ)は大地の上に歩かねばただにごろりところが
  されたり                北原白秋


  たたきの上に山とつまるる鮫の体だらりぐたりと垂れて
  あへなし                橋本徳寿