天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紫雲英(げんげ)

浜松市の農道にて

 マメ科の越年草の蓮華草のことで中国原産。かつては緑肥として稲の収穫が終わった田んぼで広く栽培されたものだが、化学肥料の普及と共に栽培されることは少なくなった。


     指ゆるめ紫雲英の束を寛(くつろ)がす  橋本美代子
     どの道も家路とおもふげんげかな    田中裕明
     げんげ田の風がまるごと校庭に     小川軽舟


  宇宙塵いくたび折れて届きたる春のひかりのなかの紫雲英田
                        玉井清弘


[今日のニュース]
  4月24日にご紹介した小池 光『うたの人物記』が、今朝の
  産経新聞の「産経抄」に引用されていた。次の歌についてである。


    小沢一郎しづかに崩れゆくときの数の論理の美しきかな
                      岡井 隆

  「勝負勝負といいながら肝心のとき兵を引いて戦線離脱する癖が
   あるように見えて、観客としてはいつも歯痒い。」得意の政局
   の場面でも、小池さんの評価は厳しい。いや、多くの観客は
   すでにうんざりしているのではないか。


  「産経抄」は、昨日東京地裁で小沢被告に「無罪」の判決が出た
  ことに関連した感想であった。