イチローを詠う
現役のスポーツ選手で最も短歌に詠まれているのは、イチローであろう。2001年にアメリカに渡ってからの活躍で、日本のオリックスに所属していた時以上に、一般のマスコミに乗り話題が広まった。今では、全世界の野球ファンの注目の的になっている。記録達成が目前に迫ると、バッターボックに立つたびに、敵味方関係なく、球場の観客が湧き立つ。
以下に紹介する作品は、イチローがマリナーズ時代のものである。
プラズマのテレビに見れば外人の中に戦うイチロー孤独
玉井清弘
シアトルのイチローの秋如何ならむ箴言のごときそのうつしみよ
水原紫苑
イチローが三割二分に到達し本領安堵のごときおもひす
小池 光
大リーグへ海越ゆる日の イチローの立てそめしひげ いまだ短し
岡野弘彦
憧れのイチロー見むと発ちゆける汝(なれ)には遠くあらぬアメリカ
小林敦子