天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ミソハギ

藤沢新林公園にて

 禊花(みそぎはな)、禊(みそぎ)萩(はぎ)が転じた名ともいい、漢字では千屈菜、鼠尾萩と漢名の表記を当てたり、溝萩と書いたりする。生薬として下痢止めの効果があるという。若葉は食用になるらしいが、まだ食べたことがない。湿地に群生する。


     みそ萩や母なきあとの母がはり  稲垣きくの
     溝萩や千代尼の町の深曇り    千田一路


  瘤のごときかなしみ抱けばこの年の禊はゆるる胸の高さに
                     林田恒浩
  あきつ来て父の墓前のみそ萩に透羽しずかに憩わせいたり
                     田村広志