天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蟹(3)

サワガニ(NHKテレビ映像から)

 2008年1月4日、9月3日のブログに続いてとり上げる。タカアシガニ(日本特産、世界最大)、マメガニダマシ(日本特産、世界最小)、サワガニ(純淡水産)、ベンケイガニ(陸上生活に移りつつあり)、カクレガニ(寄生性)、水産資源として重要なものにガザミ、ズワイガニ、ケガニなどがいる。


  澤蟹の眼はひかりつつくさむらの水潜(かづ)きけり
  多武峯(たむ)の山陰(やまほと)    前登志夫


  部屋隅に忘れられつつかすかにて少年の飼う砂色の蟹
                    高安国世
  水槽の水を己れが汚しつつ蟹に閉じ込められし夏逝く
                    米田憲三
  曇天の奥より寄せてくる波の倒れ伏す間を蟹走りけり
                    岡部桂一郎
  鵯の嘴より落ちし小さき蟹はさみひろげて空を仰げり
                    今泉 操
  砂浜に蟹の吐きたる砂団子並ぶを見れば言葉こぼれぬ
                    後藤直
  椨(たぶ)の木の根方に湧ける清水あり孵化せしばかりの
  赤手蟹這ふ             勝木四郎