天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

喫茶店

北鎌倉にて

 喫茶店とは、食品衛生法によれば、酒類以外の飲み物又は茶菓を客に飲食させる営業施設のことである。茶房(さぼう)とも「カフェ」とも呼ばれる。喫茶とは、鎌倉時代に中国から伝わった茶を飲む習慣や作法をさす言葉であった。


  明細書書きなづむかな喫茶店李白」にくらき灯点(あかりつ)
  くころ                影山一男


  布に汚点(しみ)ある喫茶店などに入り来て蠅もわれらも掌を
  磨(す)る午後は            斎藤 史


  珈琲のあまきひとつき飲みたしとむすべる日記も血まみれ
  なりき                山本友一


  地下茶房にコーヒーを飲み昼休み動詞「おもふ」の中に
  わが棲む               高野公彦


  レモンティー飲みて「醉つぱい」と言ひし母声を聞きしは
  四ケ月振り              金田義直


  夏草やアマデウスブルーで飲む紅茶一万杯の果てなる思ひ
                     高崎淳子