天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

すずしろ

横浜市舞岡公園にて

 大根の古名で「おほね」とも言う。種類は多く用途も多彩。以前のブログでとり上げた作品以外を次にご紹介する。


     燈台につづく一枚大根畑         有働木母寺
     地震(なゐ)のあと夜の靄ふかむ大根畑    宮津昭彦
     死にたれば人きて大根煮(た)きはじむ    下村槐太


  いにしへはおほねはじかみにらなすびひるほし瓜も歌に
  こそよめ               小沢蘆庵


  暮れて洗ふ大根の白き土低く武蔵野の闇はひろがりて居り
                     島木赤彦
  七草のなづなすずしろたたく音高く起れり七草けふは
                     若山牧水
  ほのぼのとすずしろの花咲けれども黄昏の眼にいたく
  さびしき               原阿佐緒