マコガレイ、イシガレイ、メイタガレイなどと種類は多い。若狭湾で獲れるヤナギムシカレイの子持ちは最上品。また瀬戸内海で獲れるものを干した干鰈は上等品と言われる。別府湾で獲れる城下カレイも美味。旬の時期は種類による。三月、四月はどの種類も旬からはずれている。
梅雨の夜に吾が焼く鰈薄ければあかあかと火の炎に透きぬ
岡部文夫
雪のふる昼のさびしさ左目が右目に寄れる鰈をまへに
柏崎駿二
白骨(しらほね)の皿に残りてうつくしきこれぞ鰈の最後の
かたち 柏崎駿二
老醜のあからさまなる父とゐて鰈の白き肉せせり食ふ
杜沢光一郎
一塩の若狭の鰈買ひ持てば冷えまさりゆくうつしみの指
水沢遙子