天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鰈(かれい)(2)

NHK「キッチンが走る」の映像から

 マコガレイ、イシガレイ、メイタガレイなどと種類は多い。若狭湾で獲れるヤナギムシカレイの子持ちは最上品。また瀬戸内海で獲れるものを干した干鰈は上等品と言われる。別府湾で獲れる城下カレイも美味。旬の時期は種類による。三月、四月はどの種類も旬からはずれている。


  梅雨の夜に吾が焼く鰈薄ければあかあかと火の炎に透きぬ
                     岡部文夫
  雪のふる昼のさびしさ左目が右目に寄れる鰈をまへに
                     柏崎駿二
  白骨(しらほね)の皿に残りてうつくしきこれぞ鰈の最後の
  かたち                柏崎駿二


  老醜のあからさまなる父とゐて鰈の白き肉せせり食ふ
                    杜沢光一郎
  一塩の若狭の鰈買ひ持てば冷えまさりゆくうつしみの指
                     水沢遙子