天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

あけび

NHKテレビ放映の画像から

 アケビ科の落葉性の木性つる植物。本州から九州、東アジアに分布、山野にはえる。果実は長楕円形で7〜10cm。果皮は紫色を帯び、果肉とともに食用になる。木の部分は薬用。秋の季語。


  幼童のわがあこがれし秋の実の山のあけびを執りてなげかふ
                      上田三四二
  あかつきのあけびゆるらに口ひらき秋の紫ふかくおそろし
                      馬場あき子
  烏瓜、木通(あけび)、藪からし、しのびよる蔓草どもに絡まれて
  気がつけば骨になっている。        舟知 恵


  口開く木通(あけび)と口を割らぬ野木瓜(むべ)をみなにありぬ
  柿と妹                  青木昭子


  権力はここにおよばずむらがれる通草(あけび)の種の熟るる
  ひそけさ                前 登志夫