天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花筏(はないかだ)

清川村宮ケ瀬にて

 江戸前期の歳時記では、川を下ってゆく筏に散りかかる花びらのことと出ているが、現在では、水面に落ちた花びらが寄り集まって流れゆく様子を筏に見立てたもの。
 なお、ミズキ科の落葉低木に花筏と呼ぶものがあるので、注意を要する。


     ゆるやかに橋潜りをり花筏    石塚友二
     夜の河のどこまで続く花筏   藤本草四郎
     わが門の細き川にも花筏     森 澄雄


     花筏赤ききんぎよの群るる池
     金魚には日蔭なりけり花筏


  金魚釣りの季節近づき花筏赤ききんぎよに日陰つくれる