2014-08-25 油蝉(続) 半翅目セミ科の昆虫。油に濡れたような翅の暗赤褐色が特徴。油を炒るような声で鳴く。幼虫は六年間地中の木の根などの樹液を吸い脱皮を繰り返し、産卵から七年めに地上に出る。 丸ビルの舗道に落ちし油蝉ひと暴れしてあはれ絶えたり 三枝英夫 油蝉の身を啖ひゆく雀蜂固きところを噛む音ひびく 後藤直二 仰向きに死なむとしゐる油蝉をしづかに看取る夕日のひかり 高野公彦 色彩の美しさなどということを省いて生れてきたあぶらぜみ 井川京子