天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

松茸(続)

NHKテレビ「キッチンが走る」の映像

 芳香、風味共に優れて茸の王者である。ただし傘が開くと芳香、風味共に落ちる。赤松林に生える。わが広島の山林でも生えているはずだが、林の手入れをする人のいない過疎地なので、どれほど採れるのか知る由もない。松茸はすでに2009年10月22日にとり上げているので、ここはその続き。


     松茸や都に近き山の形(なり)     惟然
     松茸や笠にたつたる松の針      浪化
     盃にとくとく鳴りて土瓶蒸   阿波野青畝
     松茸に神代の宵や通り雨     加藤郁乎
     松茸の錦小路となりにけり    山根真矢


  一つひきわが眼うつせば松茸のまた一つあり落葉の中に
                    岡野直七郎