天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

しじみ(1)

NHK「キッチンが走る」の映像から

 シジミガイ科の二枚貝。わが国には汽水域にすむヤマトシジミ、河川や湖沼にすむマシジミ、琵琶湖特産のセタシジミなどがある。蜆掻きで採取する。蜆汁やむき身を山椒と共に佃煮にする。


  ゆくものは逝きてしづけしこの夕べ土用蜆の汁すひにけり
                     古泉千樫
  海砂に這ひもとほりたる年月のわれを越ゆる小さき蜆
                     長沢美津
  朝夕の小鉢の蜆瀬田蜆小粒となりしをいとほしみつつ
                     三品千鶴
  朝に夕に苦しみ過しし一年のある日道路に蜆買ひけり
                     宮 柊二
  幾十年変らぬ風景に心やさし満ち来る潮にきしむしじみ
                     扇畑利枝